想いが響きあうメールのやり取り。

つい先日、素敵な記事を見つけました。

このエッセイでも何度がご紹介している
「もしドラ」の編集者である加藤貞顕さん
が運営するサイト「cakes」です。

「クリエイターと読者をつなぐサイト」
と書かれていて、月500円の会員になることで、
サイトにアップされた記事が読み放題になります。

堀江貴文さんをはじめ、著名な人から無名な人まで
さまざまな書き手の記事が無数に投稿されています。

新しいことに取り組まれているチームだなと思い、
もう3、4年前からチェックはしていました。

が、有料課金することはなく、いまに至っていました。
しかし今回、あるきっかけから有料会員となりました。

お金をお支払いしてでも、記事を読みたい、
そんなふうに心が変わったのかについて書きます。

加藤貞顕さんと糸井重里さんの響きあい。

きっかけとなったのは、この記事。
「1周年記念インタビューの依頼をしてみたら!」
— 糸井さん、ぜんぶ聞いてもいいですか?

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cakes1周年記念ということで、加藤さんが、
ほぼ日の糸井重里さんにインタビューをお願いする
ところからこの記事はスタートしています。

このお二人のメールのやり取りの響きあいに、
ことばにはならない余韻が体に残っている感じ。

どうしてもみなさんにも読んで、感じて
もらいたいので掲載させていただきます。

前略 先日は『恋の渦』のトークショー後に、
ご挨拶させていただきありがとうございました。
ずっと昔からファンだったので、とても光栄でした。

私は、今年40歳になります。糸井さんのことは、子供のころから拝見しています。

はじめは、埋蔵金を掘ったり、キムタクと釣りをするひととして出会いました。

そして「MOTHER」の糸井さん、「ほぼ日」を始めた糸井さんを目撃しました。

就職して編集者になったあとも、もちろんずっと見ています。

私は以前、いくつかの出版社で働いていたのですが、

『もし高校野球の女子マネージャーが『ドラッカー』を読んだら』

という本の編集を担当した際、
ほぼ日のみなさんといっしょに

お仕事をする機会をいただきました。

奥野さん、木下さん、佐藤オトヤさんなどにお世話になりまして、

みなさんがまとっている「ほぼ日な雰囲気」と、お仕事に向かう姿勢に

感銘を受けました。

いま私は、ウェブで有料コンテンツをつくって配信するための仕組みと、

その上で配信するメディアをつくる会社を運営しています。

出版社をやめてこんなことをはじめた理由は、

一言で言うと、電車の中がスマートフォンを見ている

ひとばかりになってきたからです。

出版の未来、クリエイティブの未来を危惧してということもありますが、

作り手として、こんなに伸びてる場所で、こんなにみんなが使ってる場所で

やらないわけにはいかないという思いがいちばん強いです。

cakesは、この9月にようやく1周年を迎えました。

インターネット上に、これから先、ものづくりをする人たちのための、

新しい「場所」が必要だと思ってつくったサイトです。

まだまだよちよち歩きですが、これまでに200人以上のかたに登場いただきました。

会社をはじめて、日々、驚くことばかりです。

組織づくりもはじめてですし、ネットメディアをつくるのもはじめてです。

なにかを思いついたときや、新しい気づきを得た後に、

「あ、これはもう、ほぼ日にあるのか」

「そうか、ほぼ日はだからこうしてるのか」

ということがしょっちゅうあります(いちばんの驚きは

「糸井さんはこれを15年もやっているのか!」ということです)。

 私にとっての糸井さんが、ネットメディアをつくった先輩、

会社組織をつくって勝負している先輩、というふうに、また変化しました。

たいへんずうずうしいお願いがひとつあります。

いちど、お話をうかがう機会をいただくことはできないでしょうか。

可能であれば、cakesに掲載するインタビューとしてできればと思っております。

お伺いしたいのは、インターネットとメディアの未来についてです。

糸井さんがどう考えてほぼ日をつくったのか、

これまでやってきてどう感じたのか、

これからどうしようと思っているのかをうかがえれば、

みんなの未来が見えてくるのではないかと考えています。

たいへんお忙しいところに、お願いをしてしまい恐縮しています。

ご検討いただければ幸いです。

糸井重里様

2013.10.14 加藤貞顕拝

パソコンでの下書きを、便箋に書き写し、ポストに投函しました。

翌日のお昼すぎ。歩きながらスマートフォンでメールを確認したら、

「糸井重里です。」

と、ありました。メールを開くと、

From: 糸井 重里
Sub: 糸井重里です。

加藤貞顕さま

糸井重里です。

お手紙をありがとうございました。

よくやってるチームだなぁ、と思って注目していたので、

インタビューのおはなし、よろこんでお受けします。

少々、馬齢を重ねているといいますか、年長さんですので、

その分だけ、失敗や心配も数多くやっているかもしれません。

加藤さんのさまざまな冒険や決断の話も、

ぜひ聞かせてください。

スケジュールにつきましては、

マネージャー役の小池花恵にCCしておきますので、

彼女と決めてください。 

たのしみにしています。

よろしく お願いします。

ありがとう ございました。

iPadから送信

このやり取りに関して、ぼくはコメントしません。
何となく胸にある気持ちを大事にしたいと思います。

みなさんも、感じたことがあったとしたら、
その何かを大切にしてもらいたいです。

まずは、響けるじぶんであろう。

響きあいのなかから、コトは起こります。

コトのなかには、ビジネスもあれば、
プロジェクトもある、恋愛だってそうだし、
親友になるのだって含まれています。

恋愛や親しい友人になるのはもちろん、
ぼくはお仕事をすることになるのも、
「そこに運命があるからだ」と、
けっこう真剣に考えていたりします。

「その人」と「ぼく」でしか、
生み出せないなにかがある

から一緒に仕事をすることになったのです。

「その人」と「ほかの誰か」ではダメだったのです。

そんな運命というものは、
響きあいのなかに生まれるのだと思います。

だからまずは、

「響けるじぶんでありたい」

そう、思うのです。

今日もブログに来てくださって、
ありがとうございました。

明日は、そんな加藤さんたちがやっている
コンテンツ会議なる企画に記事を出します。

それこそ、そのあり方、活動、人柄に
響いているメンターの本について書く予定です。

お楽しみに。

チームメンバーのイサが書いた
この記事、普通に読み入ってしまいました。

感情の摩擦

タイトル付けが、シンプルやなぁ。笑