りんごと電子書籍とわたし。

しばらく前から、なんとなく鼻がグズグズしていた。ただ、得意の「なかったことにするの術」を使って、切り抜けてきたのだが、もうダメだ。自宅に帰ってくるなり、布団にくるまって眠った。疲れがたまっていたようだな、こりゃ。

目が覚めて、熱々のお湯をはった湯船につかる。あがってしばらく、『カラマーゾフの兄弟』を読んで、冷蔵庫からりんごを取り出し、手際よくカットした。

むかしから、りんごが好きだったな、そういえば。いちばん古い記憶は、幼稚園までさかのぼる。当時からりんごがいちばん好きで、園児仲間を押しのけて、りんごを手に取り、夢中で食べていた。

大人になっても、わけもなく、エルメスのりんごモチーフのキーホルダーを購入。いまになって振り返っても、なぜアレを買ったのか、理由は定かではない。そのことを知っていた奥さんからは、誕生日プレゼントに、りんごのPCマットを贈呈された。

はて、ぼくは、なにゆえに、りんごの話をしているのだろうか。風邪気味で、頭が少し暴走気味なのであろうか。これまた、理由は定かではない。

そうそう、ほんとうに書きたかったのは、この話だった。編集長をつとめるDNAパブリッシングで電子書籍をリリースした。

『誰でもゼロから書ける! 売れる電子書籍の作り方』
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2016年3月に創業して、約1年半という月日が経過した。これまで100冊近い電子書籍をプロデュースしてきた。3万部近い売上になった作品もあるし、ランキング1位を獲得したものは数え切れない。そういう実績面はすごく大事なことだから、真剣に売れることを考える。もちろん、そうだ。

だけど同時に、それぞれの著者と二人三脚で、(いやいやブックライターさんやデザイナーさん、EPUB(電子書籍の特別な原稿形態)化担当などを含めると、五人六脚、六人七脚とか)本づくりに取り組んできたプロセスの一つひとつに感慨深いものがある。

「じぶんに、どんな本が書けるか、全然わかりません…」と、森に迷いこむこともあった。「じぶんになんて、本が書ける自信がありません…」と、さじを投げそうになることもあった。

でも、リリースしてふたを開けてみると、15部門ランキング1位に輝いたり、喜びの感想メールが十何通も届いたりすることもあった。そうして、著者さんとやり取りを交わすチャットワークがお祭り状態になる。クラッカー絵文字やら、エクスクラメーションマークがいっぱい!

だって、その人が仕事生活、大げさにいうと、人生をかけて培ってきた知恵をことばにしていく作業をするのだ。そりゃあ大変だし、喜びもひとしおだろう。そのプロセスにそばで寄り添える、編集というこの仕事は、ぼくの大好物だ。りんごとおなじように。(無理やり感が否めないか)

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と、今夜も記事を書き終えて、さぁ眠るか、ここから『カラマーゾフの兄弟』を読むか、こういう地味な判断に迷います。それもまた、たのし、ですね。

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