【ぷちレポ】自分たちが欲しいモノから発想し、自分たちが満足させるために企画をブラッシュアップさせていく。:糸井重里さん経済界話題賞受賞スピーチ

自動ドアをまたぐと、そこには伝統の匂いがあった。

有楽町駅から歩くこと5分強の場所に厳かに建っている。1890年(明治23年)に海外からの賓客を迎える迎賓館として開業した。120年の時を超えてきた重みみたいなものが漂っている。

帝国ホテル。今日はこの場所で、第43回経済界大賞授賞式が開催された。昭和39年に設立した老舗出版社である経済界が主催するイベントである。お招きいただいてお伺いすると、2017年3月16日にジャスダック上場を果たした株式会社ほぼ日の糸井重里さんが話題賞を受賞されていた。

「場違い感が否めませんが、色物としてお話します」と場を和ませてから、受賞スピーチがスタート。

(覚書なので、正確ではないことをご容赦ください)

ぼくがやっているのは、商品のクリエイティブだと思うんです。

生産のクリエイティブは、ギャラも出ますし、人に褒めてもらえるんですけれども。たとえば、靴をたくさん選んで履く人というのは誰にも褒めてもらえないんですが、その人がいなければどんな靴を作ってもしょうがないわけで。

何かが買いたくて、研究をして、買い物に行って、楽しんで買う。履く。こういう人たちが何を考えていて、どういうものを欲しがっているのかを考えるのが、ぼくらの仕事です。

生産と消費を一体にさせるのが、ぼくらの仕事だと思います。

また、経済界の雑誌の特集のなかでは、こんなふうに書かれています。(『経済界 2018年2月号』より一部抜粋)

ほぼ日手帳の特徴は、半完成品であること。買った人が好きなように書き込んで、1年後に完成品になるという考え方だ。そして購入者は、自分なりの使い方を他の人に自慢する。

あ。確かにぼくは、ほぼ日5年手帳について(自慢ではないと思うけれど)人に何度も話したり、書いたりしているなぁ。ほんと。

ほぼ日手帳だけでなく、ほぼ日が販売する商品に共通するのは、すべて自分が使いたいと思ったものばかりということだ。自分たちが欲しいモノから発想し、自分たちが満足するために企画をブラッシュアップさせていく。

じつはぼく自身について振り返っても、同じような姿勢で仕事をしていると思った。たとえば、ホリエモンこと堀江貴文さんの電子書籍『なぜ堀江貴文の本はすべてがベストセラーになるのか?』は、ぼく自身が知りたいことを聞いて作った本。noteで連載している心理カウンセラー細川一滴さんの「感情の学校」もまた、ぼく自身が感情について研究したり、学んだりしたいから一緒に立ち上げたりしたとも言える。

こういう姿勢が貫かれているからこそ、「ほぼ日がやることは面白いだろうな、行ってみようかな、買ってみようかな」と思えるのだろう。それはきっと、役に立つから、便利だから、を超えた世界のお話だからだと思うのだ。

 

【お知らせ】
経済界HP:http://www.keizaikai.co.jp/
ほぼ日サイト:http://www.1101.com/home.html