このイラスト、なんだかわかりますか?
じつは、村上春樹さんの最新刊、
『騎士団長殺し』の表紙イラストです。
発売当日、羽田空港で『騎士団長殺し』の
表紙を見た瞬間の「ゾクッ」とした感覚を
いまでも鮮やかに憶えています。
二本の剣からただよう不思議な雰囲気が、
どんな奥深い世界に迷い込んでいくのだろうと、
不安感と期待感を盛り上げてくれました。
『騎士団長殺し』のイラストレーターとの出会い。
もちろん、『騎士団長殺し』の
世界を心から堪能した頃に、
こんなweb記事を見つけました。
装幀というのは表紙のデザインのことです。
電子書籍づくりを手がけているのもあり、
「なんと素晴らしい企画だろう!」と感動して、
すごく興味深く読み進めているとこんな文章が。
髙橋 チカツさんしかいないと思いました。春樹さんにもチカツさん以外、提案していません。チカツさんにはレイアウトが完全に決まってから依頼をし、こちらのイメージを詳細に伝えてイラストを仕上げていただきました。
Q 洋剣にはよく見ると羊が描かれていますね。
髙橋 これはチカツさんのアイディアです。チカツさんには原稿を渡さずにイラストを描いてもらったのですが、村上春樹さんといえば羊だろう、と紋章にしてくれました。
寺島 この案は春樹さんも「面白いね」と言ってくれましたね。
チカツタケオさんという名前を
はじめて目にして、気になっていると、
さらに偶然は重なるもので、こんな記事が。
というチカツタケオさんの個展のお知らせでした。
日程を見ると、「翌日まで」ということで、
予定していた彼女との約束を、
半ば強引に変更してまで行くことを決めました。
チカツタケオの世界観にどっぷり浸る。
行ってみて、ビックリ。
大好きな湊かなえさんの小説をはじめ、
著名な方々の作品の装幀デザインを、
数多く手がけていることがわかりました。
(湊かなえさんほどの人気作家のシリーズでもない本の装画を
三作連続で描かれるという珍しいこともあったそうです)
個展中もそうですが、それぞれ作品と
それが生まれた経緯が語られた小冊子を
手に入れて、チカツタケオさんの世界観に
どっぷりと心地よく浸かっています。
あらためて、この二本の剣。
不思議な吸引力があって、
ずっと見ていたくなります。
今日もブログに来てくださり、
ありがとうございました。
さらに嬉しいことに、個展中に、
チカツタケオさんのこれまでの人生や
イラストの仕事についてお話してきました。
インスピレーションや創造の源泉、
素晴らしい作家の方々の作品のデザインを
手がけるようになった秘密など、もっともっと
聞き出せるよう、いろいろと画策中です。
また、ご報告しますね!