【連載】第2回 電子書籍で「売れる著者」になるための戦略(話し手:箕輪厚介)

20万部超えの大ヒットを記録している『多動力』(堀江貴文著)をはじめ、『たった一人の熱狂』(見城徹著)、『新企画』(鈴木おさむ著)のなど数多くのヒット作を世に生み出した編集者・箕輪厚介氏。2017年7月に発売された『なぜ堀江貴文の本はすべてがベストセラーになるのか』(堀江貴文著)にも編集監修として参画している。本書の出版特別企画「ヒットメーカーに訊く!ベストセラーの作り方」と題して、そんな飛ぶ鳥を落とす勢いの箕輪氏に、ベストセラーを作る秘訣を訊いた。

第2回 電子書籍で「売れる著者」になるための戦略

末吉
電子書籍の世界で「売れる著者」とは、どんな人だと思いますか?

箕輪
インターネット上でコミュニティを持っている人でしょうね。

末吉
なるほど。もう少し詳しく教えてもらえますか。

箕輪
電子書籍を出しても、ネット上に固定ファンがいたり著者がコミュニティを持っていたりしなければ、その本を売るのは難しい。電子書籍は紙の本よりも簡単に出版できるかもしれませんが、宣伝力がなければすぐに埋もれてしまいます。インターネット上に星の数ほどある出版物の中から自分の本を発見してもらえるなんて、奇跡に近いんです。

末吉
「本が出たよ!」と周知させる手段が必要だということですね。

箕輪
だから電子書籍を出してそれなりに販売部数を伸ばそうと思えば、必然的に何らかのファンコミュニティが必要になります。

末吉
紙の本よりも宣伝力がいると。

箕輪
紙の本は、書店に並べてもらうことができれば、とりあえずは発見してもらえますからね。本が置かれる位置にもよるけれど、とりあえず来店者の目にふれるチャンスはあります。でもインターネットの世界は無限だから、潜在的読者を引っ掛けるフックがなければ探し出してもらえません。

末吉
ファンコミュニティがそのフックの役割を果たしてくれるんですね。

箕輪
そうです。

末吉
箕輪さんは、Newspicks booksの本もガンガン売っていますよね。

箕輪
はい。でも実は最近、僕が宣伝しすぎるのも問題かなと思っています。信憑性が薄れるのではないかと。だって「多動力いいですよ」って僕がいつも言っていたら、テレビショッピングみたいな感じになっちゃうじゃないですか。

末吉
確かに、あまりしつこく言うと嘘っぽくなりますね。

箕輪
だから今後は書籍編集者を増やすとかして、いろんな人が宣伝に携われるようにしようと考えています。本の賞賛を僕個人の熱狂だと捉えられたくないから。

末吉
多方面から売り込むということでしょうか?

箕輪
“箕輪が出した本”っていうことで最低限注目してもらって、あと僕がやっているサロン「箕輪編集室」のメンバーたちにバズを起こしてもらおうかなと。公式ツイッターを作ってみんなでツイートを拡散しまくるとか、50冊買ってもらったら著者が出向いて講演するというシステムを作るとか。「これはできるよね」ってやつは仕組み化して、箕輪編集室のメンバーでどんどん動かしていければいいですね。

末吉
箕輪さん本人が動くのではなくて、他の人が動くのですね。

箕輪
もちろん。僕はだからゴロゴロしているだけに……したい(笑)。

末吉
その仕組みがあれば、箕輪編集室から出版したいという著者がたくさん出てくるのでは?

箕輪
箕輪編集室経由で出せば、僕らが最初からどんどんプロモーションをかけます。本は最初にたくさん売ること、つまり初速をつけることがとても大切。だから「出版するなら絶対ここ!」ってなるはずです。

末吉
めっちゃ強いですね。

箕輪
はい、強いです。堀江貴文さんも、彼のサロン「HIU」の編集学部で同様のことをやろうとしていますよね。あそこは堀江さんの発信力が強いから、当然書籍の販売力もハンパないことになるのでは。

末吉
まさに『なぜ堀江貴文の本はすべてがベストセラーになるのか?』でもそれをやろうと計画しています。これが、これからの出版の形になるのでしょうね。

箕輪
そうですね。“バズを起こせる人を中心に出版社ができて、そこに著者が集まってくる”みたいな流れができると思います。

末吉
堀江さんのHIUや箕輪さんの箕輪編集室のように、バズを起こせる集団がオンライン上の出版社になっていくと。

箕輪
そうだと思います。出版社には、「編集と流通と営業」という3つの機能があります。「編集」では物理的に本を作り、「流通」では本を全国の書店に流す。「営業」では広告をうったり書店営業をしたりと、いわゆる宣伝をします。

末吉
それぞれが大切な機能ですね。

箕輪
でもこれがオンライン上になると、「流通」をあえて出版社の機能として数える必要はなくなります。インターネットで誰でも売れるから。Amazonはもちろん、noteでも可能です。

末吉
電子書籍に限っていえば、これからの出版社に必要な機能は「営業」と「編集」のふたつになるんですね。

箕輪
そう。堀江さんのHIUでいえば、堀江さんというインフルエンサー、つまり「営業」がいて、僕という「編集」がいる。箕輪編集室には、僕だけじゃちょっと足りないかもしれないけど、はあちゅうさんとかイケダハヤトさんみたいな発信力がある人がいっぱいいるから「営業」できるし、「編集」は僕ができる。

末吉
つまり、HIUの編集学部や箕輪編集室は、十分に出版社の機能を兼ね備えているんですね。

箕輪
これからのデジタルコンテンツの出版社は、今後こういう形に集約されていくと思います。だから、既存の大手出版社はライバルではありません。電子書籍の世界では、彼らの強みである書店の販売網は必要ない。繰り返しになるけど、出版社にバズらせる力と編集力があること。

末吉
最後に、ここまでの話は著者個人にも当てはまるのでしょうか。

箕輪
その通りです。著者自身がコミュニティと発信力を持っていること。そして、インフルエンス力のある出版社や編集者個人とつながること。この両方があれば、電子書籍は売れるでしょう。

末吉
著者自身が、自分のWebメディアやコミュニティを育てていくことが鍵になりそうですね。


箕輪

そうですね。もちろん書籍の中身がいいことが大前提ですけどね。

(第3回につづく)

【過去の記事を振り返る】
第1回 人の心をつかむ著者の条件

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【記事制作】
訊き手・編集:末吉宏臣
ライター:井上和子(https://twitter.com/minaminobambi
制作協力:戸田成美