運命のサインをよみとく。

ある朝、お風呂からあがってふと玄関の棚を見ると、見慣れない袋。Amazonのものではないからスルーしていたが、宛名はぼくだ。なんだろうと思って手にとった瞬間、「うぉっ!」と声がもれた。

献本が届いていたのだ。急ぎながらも丁寧にやぶいた包装紙から本を取り出す。出版社はサンマーク出版、著者は香椎美裕紀、タイトルは、『運命のサインをよみとく辞典』。

しばらくの間、表紙をボーッと眺めていた。表面を撫でてみると、少しザラザラとした高級感ある装丁。物理的な重さだけではない、ある種の(エネルギー的な)重さが載っかっている感じがした。

献本をいただくことは少なくないが、今回の本には特別な思い入れがある。なぜならこの本の元ネタは、著者の香椎美裕紀さんと一緒に半年以上かけて生み出したコンテンツだからだ。だからといって、この本の編集者ではない。コンテンツプロデューサーとして、彼女だけのオリジナルコンテンツを見つけて、構築していったのだ。

半年間、ほんとうに山あり谷あり。いろんな質問を訊いては、彼女の答えをじっくりと聴く。そのプロセスを丁寧に積み重ねていく。表面的には派手な作業ではないけれど、とてもエキサイティング。たとえば、彼女の人生のぜんぶをひっぱり出して棚卸しするとか。何十年も住んだ家を引っ越すとき、荷物を一つひとつ点検するように。

すると、彼女の本質的で深い部分に触れる瞬間が訪れる。力を持った言葉に出会う瞬間が。その言葉が「流れを読む」というひと言だった。身の回りにある「サイン」をキャッチして、そこからヒントよみとくことで人生を好転させていくという内容だ。

彼女にとってはごくごく当たり前のことだったのだろうが、だからこそ、彼女が大切にしてきたことであることが静かに、でも力強く伝わってきたのを今でも覚えている。

そのときに産声をあげたコンテンツが2〜3年の時を経て、素晴らしい書籍へと成長を遂げていた。それはもう、感慨もひとしおだ。なんだか親なのか産婆さんにでもなった気分がした。「しばらく見ない間に、立派になったのぉ…」

と思い出話をしてしまったが、この本はたくさんの人の人生を変える助けになってくれると思う。読みやすくて、すぐに使える。たとえばこんなふうに、身の回りであるあるというものごとにどんなヒントが隠されているのか、詳しく解説されているのだ。

ゾロ目の数字を見かける、飛行機雲を見かける、鞄がこわれる、虫が入ってくる、お金を拾う、隣の席の言葉が耳に入る、スマホの画面にひびが入る、食器やコップが割れる、足がだるい、のどが痛い、何度も同じ人に会う、タクシーがつかまらない、猫をよく見かける、拍手が聞こえてくる、日の光が差し込んでくる、etc…

このように、140近くのサインについて事細かに書かれていて、まさに辞典という名にふさわしい出来上がりだと感じた。ぜひ、手にとってみてほしい。

『運命のサインをよみとく辞典』 香椎美裕紀

——————————————————————
電子書籍の編集も好きだけれど、もっと根っこにあるその人の本質的なコンテンツを一緒に見つけるのも大好きだと再認識しました。

またオリジナルコンテンツを発掘するコンサルティングも少人数限定になるとは思うけど、再開しようと思います。じっくり腰を据えて取り組むプロセスは、なんとも言えずいいものです。詳細のご案内をご希望の場合は、下記へ登録しておいてくださいね。

◉ 登録はこちら → https://goo.gl/9UZrZn