フランスアルルで遭遇した謎のパティーの正体とは?

14年ぶりの海外、フランスの旅も終盤へ。最後の街、ニースへと入りました。カンヌやモナコの近くで、THE・観光地といった景色が眼下に広がっている。

ニースの地で、その前に過ごしていたアルルについて、少しだけ書いておこうと思う。(本題ひとつ前の記事を読んだ方に報告だが、野良フラミンゴには出会えなかった。残念ながら)

アルルで星付レストランでランチを済ませて、ゴッホが生涯最後の時間を過ごしたという街をふらついていると、パートナーのFacebookメッセージがピコン。写真家の友人が、なんとも偶然にアルルにいるという。さらには、なんとも偶然に、日本人が主催するホームパティーが開催されるというではないか。事実は小説より奇なりである。

無駄にオシャレな路地裏みたいなところを抜けて、円形闘技場、古代劇場を横目にさらに歩を進めると賑やかな一軒家が現れた。

(アルルの円形闘技場)

(アルルの古代劇場)

恐る恐る近づいてみると、友人が手招きしているのが見える。間違いではなかったと安心して、よく訳もわからぬままパーティーへと合流。フランス語なんてちっとも、英語もカタコトしか話せないのに。

そのパーティーは写真家たちの集まりだった。それもそのはず、ぼくらがアルルを訪れたタイミングは、世界で一番有名と言っても過言ではない『アルル国際フォトフェスティバル』が催されていたのだ。なんてタイミングだろう。

そのパーティーは、2つの点で驚かせてくれた。

ひとつめは、パティー自体の成り立ち。まずもって、誰もが出入り自由なのだ。そして、ワインやビール、日本酒もあり、おつまみやサラダ、お寿司などが食べ放題。そして・・・タダ(無料)。スケールは違うが、『グレート・ギャッツビー』の豪華絢爛なパーティーを思い出した。申し込みも招待状もなく、みんなが好きな人を勝手に連れてくる。誰が主催者なのかも、知ろうとしなければわからない。海外のホームパティーすごいなぁ。ちなみに、最終的には100名を超える人がやって来ていたそうな。

ふたつめは、写真の世界の奥深さ。もちろん写真家たちのパティーなので、写真の話題が酒の肴だ。一通りの雑談を経て、ぼくは必ず、こう訊いた。

「あなたの写真のテーマはなんですか?」

この回答がすごい。祭りを撮り続けている人。双子だけを撮り続けている人。文学的な詩的な作品を撮り続けている人。そして極めつけは、動物の死体だけを撮り続けている人。ナンナンダ、ソレワ。。。ぼくの頭のなかには、「?」が何十個も並んだ。なぜそのテーマなのか、他の人にはちっともわからない。でもそれが、いやそれこそが、その人の紛れもないライフテーマなのだろう。

(動物の死体をテーマにした作品:http://www.tomofuminakano.com/

(パーティーに招待してくれた有政の作品:http://arimasafukukawa.com/

その家から出てしばらくして、そこに集まった人たちのことを思い出した。その彼らの姿は、ぼんやりとだけれど、眩しく輝いて見えた。お金とか名誉とか関係なく、追いかけたいテーマがあって、夢中になれるってすごいなと思ったのだ。

いやぁ、世界にはおもしろい人や場所がいっぱいだ。

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追伸、、、
友人の有政とパーティー会場をあとにして、タクシーを拾うまでの道すがら話をした。彼の話を訊いていると、写真(集)は純文学に極めて近いと感じた。言葉にできないナニカを、一つひとつ写真を通して表現していく。その作業は、ぼくの思う純文学に近かったのだ。

有政の作品集が出版されることをたのしみにしている。
→ http://arimasafukukawa.com/
(このHPに掲載された写真よりも数倍はレベルが上がっていた)